ビール侯爵の箱 
ビール侯爵はでかめの箱。
ゲーム名:ビール侯爵
メーカー:2F-Spiele
デザイナー:Friedeman Friese
プレイ人数:2〜5人
プレイ時間:60分
箱のサイズ:38cm×28cm×7cm
プレイスペース:100cm×100cm(目安)


ビール侯爵なのにビールそのものが出てこないと聞いて、
ゲーム内容が気になって買いました。


1.ゲーム概要
プレイヤーは侯爵となります。
はじめこそ自領の畑でビールの材料を細々と生産していますが、
土地を改良し、作物から十分な収入を得るようになります。
ゆくゆくは念願の自分の宮殿を建て、ビール侯爵の称号を得るのです。

ゲームの目的は、自分の土地6箇所それぞれに宮殿を建てることです。
宮殿を建てるにはお金が必要です。
そのお金は畑の作物(大麦、ホップ、清水)等から得ますが、
はじめは収入の少ない土地を改良し収入の拡大を目指すことになります。
やがて宮殿の建設へ切り替えていきます。
作物を生み出す土地と宮殿を建てる土地は共通です。

収入の拡大方法、宮殿の建設を開始するタイミングがこのゲームのキモです。

2.ゲーム進行
以下の流れでゲームは進行します。
・カードの補充
・作物の収穫
・作物の売却
・建設
・カードの整理
・相場の変動

作物の売却からカードの整理までは、収入の少ないプレイヤーの順に行います。
それ以外は一斉に行います。

・カードの補充
自分の山札からカードを3枚引きます。
カードは建物であり、自分の土地に建設することができます。
宮殿や作物を生産できる畑以外にも様々な建物があります。
例えば、「農業試験場」はカードを引く枚数を増やせます。

・作物の収穫
畑から作物を生産します。
生産される作物の個数はカードに描かれています。
なお、作物は「倉庫」が建っていると貯蔵できます。

・作物の売却
作物を一つの醸造所に売却します。
醸造所によって、欲しい作物や売値が異なります。
醸造所の需要を超えて売ると、相場が下がります。
下がりすぎると、売却を拒否されます。
次の売却は収入の少ないプレイヤーから順に行います。

・建設
建設費用を払い、手札のカードをボードにセットします。
以前の建物を上書きする形となり、
上書きされた建物は戻ってきません。
「宮殿」は宮殿の建設数によって建設費用が増えていきます。

・カードの整理
手札のカードが1枚になるように残します。
残さなかったカードは山札の下に戻します。
山札に戻すということは、いずれは再び引く機会があります。
「役所」があれば、手札に残せるカードを引く枚数を増やせます。

・相場の変動
醸造所の相場を上昇させます。
上昇量はプレイヤーが売却した作物の量によります。


メインのボード
メインのボードです。
醸造所の相場、需要、売却済みの作物が分かるようになっています。
ゲーム終盤のため、相場がかなり上がっています。

プレイヤーのボード
プレイヤーのボードです。
上の三箇所は市場、農業試験場、ホップの畑が建設された状態です。
元々は何もない土地でした。
下の三箇所は最初からある畑で、いずれ建て替えられます。


宮殿を6つ建てた時点でゲーム終了です。

なお、このゲームでは、導入ゲームと正式ゲームの2種類があります。
導入ゲームでは、宮殿を建てる場所は自由です。
正式ゲームでは6種類ある宮殿を決まった場所に建てる必要があります。

3.プレイの感想
作物を売ってお金を稼ぎ、
そのお金でいい建物を建ててさらにお金を稼ぐ、
それだけでも十分楽しめます。
みんなお金が大好きだからです。

しかし、宮殿の建設競争をするゲームと考えられると、
お金の稼ぎ方+宮殿の建設計画を考える必要があり、
考えどころが増えてより楽しめます。
正式ゲームになると、山札の上から10枚のうち9枚を
任意の順番で山札の底に戻して開始するため、
計画性がより重要となります。

手番が収入の少ないプレイヤーから始まるのは面白いと思いました。
いい建物を建てているプレイヤーが必ずしも高収入を得るわけでもなく、
手番の調整を考える余地が生まれ、
プレイヤー間の絡みを意識させてくれます。

手なりでもそこそこ遊べますが、
先のことまで考えてプレイするとより遊べるのが「ビール侯爵」です。


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