箱の人物はエンリケ航海王子と思われる。
ゲーム名:ナビゲーター
メーカー:PD VERLAG
デザイナー:Mac Gerdts
プレイ人数:2〜5人
プレイ時間:120分
箱のサイズ:40cm×28.5cm×5.5cm
プレイスペース:130cm×100cm(目安)
航海をテーマにしていることに気づかずしばらくスルーしてました。
もっと早く買っていればと後悔しました。
タイトルからすると地味なゲームですが、
珍しいシステムを使っていることもあり、
似たようなテーマのゲームが多い中で存在感はあります。
1.ゲーム概要
時代は15世紀。
大航海時代と呼ばれた時のこと。
ポルトガルのエンリケ航海王子は探検家を集め、
アフリカを調査しました。
彼らの功績によって、最終的には日本への航路が発見され、
海洋貿易を通じてポルトガルに莫大な利益をもたらしました。
プレイヤーはポルトガルの裕福な商家となり、
エンリケ航海王子の足跡を辿ります。
航路を広げていき、工場や植民地を作り、
そこから得られる富を得ていきます。
最終的には勝利点を最も多く集めたプレイヤーが勝者となります。
プレイヤーは各手番でアクションを1つ行うことになります。
「ナビゲーター」ではアクションの選択方法が特殊で、
ロンデルシステムを採用しています。
円が8つのエリアに等分されており、それぞれアクションが描かれています。
前回選択したアクションのエリアから進めるエリア数が決まっているため、
次に実行可能なアクションが決まっています。
自分と対戦相手の先を見越した判断が必要となります。
「ナビゲーター」の序盤の状況です。
画像の上部にある円がロンデルです。
どのタイミングでどのアクションを行うかが考えどころ。
2.ゲーム進行
先に勝利点の主な獲得方法を説明します。
勝利点の要素は大きく分けて、5つあります。
・探検家
・植民地
・造船所
・教会
・工場
これらの数に倍率をかけたものがゲーム終了時に獲得できます。
数はアクションを行うことで増やせます。
倍率はあらかじめ決まっていますが、アクションによって増やすことができます。
5つの要素をできるだけ集め、倍率を大きくすることが指針となるでしょう。
アクションは7つあります。
円は8等分されていますが、1つだけ重複しているので7つです。
・航海
・植民地
・造船
・労働者
・恩恵
・建設
・市場
・航海
船を進めます。
未知の海域に侵入する場合は、
探検家を一人獲得し、お金をもらい、船を一隻取り除きます。
・植民地
船のあるエリアで植民地可能な場合は、
お金を払う事で植民地を獲得します。
植民地からは市場で売却するための生産物が手に入ります。
・造船
お金を払い、船を生産します。
造船所の数によって生産の効率が変わります。
生産した船はポルトガルに置かれます。
航海で失った船は造船で補充する必要があります。
・労働者
お金を払い、労働者を増やします。
教会の数によって増員の効率が変わります。
労働者は増えると、建設できる建物の種類が増え、
場合によってはアクションの効率も上がります。
・恩恵
勝利点の倍率を増やす恩恵トークンを獲得し、
その時の功績に応じてお金をもらいます。
代償として、労働者一人を失います。
・建設
お金を払い、建物を建築します。
建物は、工場三種、教会、造船所があり、
それぞれ建築に必要な価格、労働者数は異なります。
建築するほど価格は増えていきます。
・市場
工場で作った商品または植民地で生産した生産物を売却してお金をもらいます。
工場や植民地が多いほどたくさん売れます。
売ることによって、商品や生産物の売値が変動します。
ゲーム終盤の状況です。
手前のプレイヤーは10個の工場と3個の教会を建築しています。
教会用の恩恵トークンも2つ獲得しており、高得点を狙っています。
建設可能な建物を全て建てるか、
誰かが長崎に着いたらゲーム終了です。
3.プレイの感想
男なら大航海時代にロマンを感じる人は多いと思います。
「ナビゲーター」には海戦の要素こそないものの、
ロマンを感じさせる出来になっています。
航海をしなくて勝てるというのも面白い。
アクションはタイミングによって有効度合いが変わり、
相手の状況や自分の予定を踏まえながらプレイするため、
なかなか考えさせられます。
今市場で売却すると下家が得するし、
かといってそうしないと船が作れないし、うーん、
みたいな場面がちょくちょく出てきます。
あれやこれやとやりたいことはあるものの、
勝利点の仕組みのお陰でよそ見をさせないようになっています。
しかし、相手に一つの分野で独走させすぎると負ける可能性もあるので、
適度に干渉することも必要という。
プレイヤー間の絡みは適度に調整されています。
運の要素が少ないので実力が出るゲームです。
何度かプレイして「ナビゲーター」の良さを分かってもらいたいですね。
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