7.蒼き霧夜


プロローグ



2000.5.9 19:54

「今日は夜が深いな……」
 いつもの夜だった。日が長くなったとはいえ、さすがにこの時間になると静かになる。
 本社ビルから覗く蛍光灯が、地上に星座を映している。
「こちらでしたか」
 壁に拡散した声は、階段のほうから届いた。
「用か?」
 空に向かって返す。上等な革靴の歩く音が、風の音をさえぎった。
「ええ。次回の出張の件で。探していたのです」
 紙がめくられる音。事務的な声色が、耳の後ろで平坦に続く。
 建物の隙間から、動く光を見つけた。輸送車かなにかだろう。
「社長」
「聞いている」
 しばし遅れて、息を吐く音がした。
「……いいでしょう。この件は後にします」
 と、視界の端がうるさくなった。ついそちらをにらみつける。
 彼は笑顔であった。
 居心地の悪さを覚え、なんとなく視線を戻す。
「悪いな。広報部には迷惑をかける」
「いえ。俺も好きでやってますから」
 最近のOKE事業の業績は落ちている。多くのクライアントに契約を切られた今、
一番とばっちりを受けたのは広報部だった。
 他の会社がどうなっているかは知らないが、Rindでは広報は営業を兼ねている。
 苦しい営業戦線を一手に引き受けるのが彼だった。
「……戻るか」
 そう言って振り返る。二、三歩歩いたその時、 
 背後が不自然な光を放った。
「社長!」
 言われなくてもわかる。OKE保管室の方角だ。即座に懐の無線が着信を伝える。
「涼格司令。OKE保管庫付近で爆発が発生。侵入者がいる模様。
 未確認ですが、すでに侵入者と開発班のテスト機が交戦状態にあり、
 その際の爆発と思われます」
「監視はなにをやっていた!」
「それが……敵がレーダーに映らないのです」
「!?」
「さらに、何者かが東門を突破した形跡は見られません。
 北門からの侵入と思われます」
「北門?」
 北門は資材などの輸送に使う門で、警備は厳しい。どうやって突破したというのか。
「今日の当番は遼でしたね」
 ……嫌な予感がする。しかし、詮索は後だ。
「よし、開発班に伝えろ。グリーンデビル14B及び、開発テスト機の出撃を命ずる。
 速やかに侵入者を捕縛、または抹殺せよ」



2000.5.9 Enemy Side


Dumbo解放戦線の第一次侵攻は東門すら突破
出来ずにKazu革命軍に撃退され、援軍のSYKES部隊にも
完全撃破されるなど、かつてない醜態をさらしたのであった。

そうこうするうちにKazu軍はうさぎ帝国の軍門に下った。
諜報部によりRind社内の情報を手に入れながら沈黙を
守ってきたDumbo解放戦線は、うさぎ帝国軍が
けいじん製作所の侵攻に躍起になって本国の防衛が
おろそかになっているのを見逃さなかった。

「名誉回復とRindを期して
我々Dumbo解放戦線はRind社に対して
「第二次Rind侵攻作戦」を発動する。
侵攻目標は”第7格納庫”っである。

ゆけ!Dumbo解放戦線の闘士たちよ!
Rindを我が手に…じゃなかった、解放する日まで!」

うさお閣下にはなるべく弓を引きたくはなかったが、
我々の崇高な目的の前に立ちふさがるというのであれば
止むを得まい。突破せよ!


なお、参加機体はいくつかあるが、マスターズコロシアム
及びレー妨研は関与を否定しているのであしからず。
え〜い前書きが長いぞ(^^;;;



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